最短で上手くなりたい!!!(という願望)
こんにちは。空論/秒です。
みなさん!!最短で絵が上手くなりたいですよね?
\ナリターイ/
ではその方法をお教えします!!!
……と言いたいところなんですが、自分も別に大して上手くないので無理でした。
………
……
ですが、最短で絵が上手くなりたいという「願望」にもとづいてやってきたことやわかってきたことはあるので、それについて書きたいと思います。どちらかと言えば理論よりです。YouTubeなどで絵画講座をやっている先生方のように経験に基づいて何か言えるほど経験も画力もないからです。
また、この記事を読んでるのはほぼドッターだと思うので無用な心配ですが、一部、ドット絵にしか適用されなさそうな話があります。また、本気で絵を学んできた人にとっては多分カスみたいな内容です。あくまでエンジョイ勢向けです。まさに机上の空論……
本記事は二部構成です。最初に自分が普段意識している理論、次に絵が若干上手く見える小手先の技術について書きます。
1.理論のお話
(1)「上手さ」を定義する
絵の上手さって何でしょうね。
僕の現時点での答えは
「脳内イメージをなるべく忠実に出力できること」
だと思ってます。
みなさんも、構想時点ではめちゃくちゃ壮大でものすごい絵だったのに、描いてみたら全然違う!!しょぼすぎる!!ってなったことありませんか?
これは、ある人もない人もいると思います。個人的には構想よりすごいものを出すことはできないと思ってるので、「ない」という人がどうやって書いてるのかわからないですが、現に上手い絵描きの人に聞いても結構答えは分かれます
僕はしょっちゅうあるというか、ほぼ常にそうです。構想段階との差に首をかしげなかった絵は多分一個もないです。
構想段階ではすごい絵をイメージできていたのに、描くと全然違う。
これを解消する技術が絵の上手さだと思います。
これ以外にも絵の上手さの定義は人によってたくさんあると思います(無数にあるとは思いませんが)
自分の中でそれを決めておくことで、目指すべきところが定まって上達しやすくなる、と思っています……多分
考えたこともなかった!という人はぜひちょっと考えてみてください。何か変わるかも
(2)手癖を増やす
絵を描くとき、よく「手癖」でって言いますよね。この言葉は厳密な定義こそないですが、なんとなく絵描きであれば通じるんじゃないかと思います。
僕は手癖という言葉を「何も見なくても感覚的に描けること」と定義しています。
何も見なくても感覚で描ける、というのはそのものの描き方を理解できている、こととほぼ同義です。理解できているから感覚で描けるし、意識しないで出せるので絵の全体としてのクオリティが上がります(絵の細部全部に気を配るのは難しいため、手癖以外のところに注力できる)
この1年(ドット絵・創作歴ともに2年目)で一番感じたのは、描き方が理解できてないものは描けない、ということです。
当たり前のように聞こえるかもですが、描けるものと描き方がわかるものは微妙に違います。
特にドット絵では、描き方が分かっていないがなんとなくそれっぽく描ける、ということは良く起きます。ドットの粗さに甘えて細部を誤魔化せるからです。
もちろん、ドット絵である以上、要素の取捨選択が必要ですし、そこが醍醐味とも言えます。でも、描き方をわかったうえで省くのと最初からよくわからないで描いてるのは結構大違いだと最近気づきました。ドットにしたときにどこを落としこむかが変わってくるからです。
話がちょっとそれました。
自分の技術の中で、どこまで手癖で出せる範囲なのかよくわからない。意識して描いてるのか、しないで描いてるのか、自分でもよくわからない。そういうことはよくあると思います。
そこで個人的におすすめなのはワンドロをやってみることです。
みんな知ってると思いますが、ワンドロとはざっくり言えば、与えられたテーマに沿って1時間で絵を描くことです。
1時間しかないので手癖以上のことはほぼ出せません。自分の現状を把握するのにかなり良いなと感じています。
例えばこれは1年前くらいに描いたワンドロの絵です
今見るとあんま上手くはないな、と思います。
唯一良い点は星の光具合を色の明度で表してるところです。つまり、この時点で僕は少なくとも「1ドットで星を描く方法」は手癖に入ってたってことがわかります
これはワンドロの中でもかなり「上振れ」と言ってよいです。自分のワンドロの中では上手く描けてる方です。この絵は「雨の水滴が線になってる感じ」や「水たまりの反射と地面の反射を描き分ける」「雨が地面に落ちたところで波紋ができてる」などが手癖に入っていたため、トータルで上手いこと描けたんだと思います(比較的)。
あとは配色もド手癖ですね。空論と言えば、と言われてもいいほどよく使うブルーグレー(なんかオレンジよく使うイメージと言われることが多いけど)。あとはお得意(悪癖)の透過色多用。
逆にキャラクターの描き方はさっぱりわかってないため座り方がなんか変ですね。サイズ感も変だし。キャラに関してはまったく手癖外で上手く描けなかったというところですね
では手癖を増やすにはどうしたら良いのか
これは僕も知りたいですが、現時点でわかっている方法をかくと、
観察→描いてみる→描き方を覚えておく
これだけです。めっちゃシンプルですね
特に実物(写真でも良い)をよく観察することはかなり大事だと思います。ものでなくても、影の色、どこに反射が出来ているか、周りのものの映り込み具合、全体のバランス、など見るところはたくさんあります。
もっと他の良い方法あれば教えてください
このやり方は次の項目にもかなり関わってきます
(3)「描きたいものがある→情報を得る・練習をする」という順番を意識する
前半ラストです。
みなさんは絵を描くときに描き方の本とかサイトなどを見ますか?
僕は結構見ます。特に書籍に関しては現時点で手持ちが4冊あり、それ以外にも図書館で見たりなどします。また、好きな作家さんの画集も所持しています。
しかし、色々書籍や練習法等調べて思ったのが、
「やり方をインプットしてもすぐにアウトプットしないと意味ない」
ということです
これは、この記事のタイトルである「最速で」上手くなる、に大きく関わる話です。
書籍などから得られる情報は情報としては有益でも、それが役に立つかどうかはわからないことが多い、と僕は思います。
身に着けたことを役立てることが案外難しいのです。
そのため僕が提案する方法は、疑問や、これは描けないなというものが生じてから、その都度描き方やコツ・練習方法を調べる、というものです
そうすればすぐ使えますし、場合によっては手癖としてインプットできます。
漠然となんか描きたい、上手くなりたいと思って練習法や描き方を調べてそれをやり、さあ絵を描くぞ、というやり方には少し疑問があるというか、非効率では?と思っています
もちろん、何らかの練習法を極めた先に真の画力はあるのかもしれません。プロや、特に美大に行くような方は大体そういう道を辿ってきているでしょう。世の中の主流はそっちだと言っても良いです。
僕は素人なので、どちらが正しいのかわかりません。というか現時点で上手い人でも、どちらかのやり方しかやったことないはずなので厳密に比較はできないですね。
でも少なくともいえるのは、趣味絵師が手っ取り早く自分の描きたいものを描くには遠回りです、多分。僕はそう考えてます。
2.(小手先の)技術のお話
理論はこんなもんにしておいて、これからは絵が若干良く見えるようになる小手先の技術を紹介したいと思います。すぐ使える、簡単な話です。
というかどれも別に僕が発見したわけでもなんでもない良く知られた話ですが、個人的に役に立つなと思ったものをピックアップしました。
(1)無彩色を使わない
真っ黒、グレー、真っ白。これらの色を使いたいときに、完全な無彩色を使わないほうが、なんとなく絵が良い感じに見えます。これは何故かというと、
真っ黒、真っ白:絵に対して強すぎることが多い。現実世界にもなかなか存在しない
グレー:想像する「グレー」は無彩色に少し色を足すと再現できる。無彩色のままだと少し赤みがかって見える(これは僕だけかも)
からです。絵の雰囲気に合わせて何色を混ぜるか変えますが、大体水色を足せばよい感じです。オレンジでも良い時あります
(2)合ったツールを使う
みなさん、ドット絵何で描いてますか?僕はメインでペンタブ、たまにスマホでした。ラフは驚くべきことに、つい最近まであんまり描いてませんでした。
これが最近になって、色々あって液タブを使うようになったんですね
そしたら画力が爆上がり(当社比)しました
定量的に言えることとしては、描く速度はマジであがりました。
いままでペンタブでペンの先端と実際に描いてる位置が違う、またはスマホで長い線を思った通りに描けない、これが地味にストレスだったんですね
そして液タブを使うことで、ペンタブでは難しくて描けなかったアナログのラフが描けるようになり、これにより画力が上乗せされました。
今はフォトショでラフを描き、色も決めてから、そのままフォトショでドットに起こしています
もうペンタブには戻れません。この液タブ借り物なんですが、絶対お金貯めて買います。フォトショも借り物なんだよな……
液タブを使うことで、線が思った通りに引けます。まるで紙に描くようにドット絵が描けるんですね。これは最高です
合ったツールを使うのが良いねってことです
(3)透過色を使う
透過色を使いすぎるのは僕の悪癖なんですが、透過=悪ではなく、ほどほどに使えば絵にとって非常に有用です。
透過色が有用なのは特に、「透けてるものの表現」「影色」です。
透けてるものを透過で描くのは当たり前なので、影色について述べます。
影の色は光の色によって決まります。影色をどうやって描くかは人によっていくつかパターンがあり、おおまかには
- 影部分のもともとの色に無彩色を混ぜた色(明度を下げた色)を使う
- 影部分のもともとの色の色相を動かし、より「濃い」色にした色を使う
- 影部分のもともとの色をまず塗り、上から透過色で影色を重ねる
この3パターンです。
1番は一般にあまりやらないほうが良いとされてますね。これをやると絵がなんか黒っぽくなります。澄んだ感じも出にくいので僕はあんまりやらないです
2番はオーソドックスなやり方です。特にドット絵師はこのやり方が多いと思いますし、僕も普通に使います。色数を制限したいときに使い勝手が良いのもこの方法です
3番が僕が提案したい方法です。この方法もメリットとデメリットがあります
メリット
・影を後から描けるので、色塗りの際とりあえず固有色(影関係ないそのもの自体の色)だけ意識すれば良くなる
・光の色に合わせて影を塗るので、絵の雰囲気が作りやすい。シンプルに上手くも見えやすい。
・配色の統一感を出しやすい。簡単に色をまとめやすい
デメリット
・使いすぎると無限に色数が増えていく。そしてドット絵感が薄れていく
・「あとで透過で上から塗れば良いか」と色選びが雑になり、結果変な絵になる
・透過がないと絵が描けなくなるキャー
デメリットは全部気を付ければ防げるので、普通は大丈夫でしょう。
dotpictにもこの前透過が実装されたのでぜひやってみてください
(4)パースを厳密に取りすぎない
現実のものって、実は意外とパースが厳密にはなっていません。何故かというと、人の目は魚眼レンズであり、さらに世の中の物はそこまで厳密な平行、垂直を作っていないからです。
パースのかかった絵を描くとき、消失点を作りますよね。
そして、物の「辺」を延長した線が消失点でぴったり重なるようにする。
これがおおまかな描き方だと思います。
これでも全然良いのですが、より自然に、見て違和感のない絵にするためには、あえて消失点を「点」ではなくざっくりとした「円」で取り、その円の中に辺を伸ばした線が入ってればよいことにする、というやり方が有効です。
消失点どうこうよりも、引きで見て違和感のない線を探してそこに引く、というのも良いです。
これも多分有名な話ですが、僕は最近まで知らなかったです。ぜひやってみてください
これにて空論/秒の、最速で上手くなる(はずの)考察は終了です。
僕は2年前までアナログ絵すら描いたことなく、いきなりドットをはじめました。技術は全然まだまだですが、常に上手くなる効率は意識しています。
来年の記事ではどれくらい言えることが増えてるでしょうか
もっと精進してまいりますので、ぜひこれからも僕の絵を見てくださったら、嬉しいです。
空論/秒
☆裏ドット絵アドベントカレンダー☆
この記事は裏ドット絵アドベントカレンダーのために描かれた記事です。
フクDさん、また、表のドット絵アドベントカレンダーの主催であるMuscatさん、ありがとうございました。